ヤンバルクイナ(やんばるくいな)

ヤンバルクイナ生態展示学習施設

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ヤンバルクイナとは?

沖縄本島北部にある山原(やんばる)と呼ばれる地域に生息します。
最北端に位置する国頭村は大自然が残る手付かずのジャングル!秘境そのものです。

広大な亜熱帯に住む様々な生物を育て、希少な固有動植物が数多く生息しています。
山原の代表的で有名な生き物は、もちろんヤンバルクイナです。

ヤンバルクイナが羽を広げている

ヤンバルクイナが羽を広げている

1981年国頭村で発見され新種と認定された、体調約30~35cm・体重約350~450gの飛べない鳥で、1982年には国の天然記念物に指定された絶滅危惧種です。
ヤンバルクイナはよほど運が良くなければ野生には出合えません!沖縄県民でさえ見たことがない人が多いです!!

ヤンバルクイナの特徴

特に夕方に鳴き、つがいで長く鳴き交わすこともあります。
茂みの中に潜んで暮らすヤンバルクイナにとって、鳴き声は情報伝達の重要な手段です。

ヤンバルクイナ生態展示学習施設

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ヤンバルクイナは夕方頃になると木に登り、太い枝にとまって木の上で寝ます。
足は太く、どの筋肉よりも立派で発達しています。
この丈夫な足で茂みの中を縦横無尽に走ることができます。

ヤンバルクイナの巣は、照葉樹林(シイ・カシ・ツバキなどからなる常緑広葉樹林)などの森林や草地の地面に枯れ葉を集めた簡単な巣を造ります。
5月頃には白地に茶の斑点模様の入った卵を4個~5個産み、卵の大きさは長径約4.9cm、短径約3.7cmの小さな卵を生みます。
卵からかえったヒナは、毛が真っ黒ですぐに巣を出て歩きます!ヤンバルクイナのヒナも大人と同様、太くて立派な足をしています。

ヤンバルクイナ、ヒナ、卵

ヤンバルクイナ、ヒナ、卵

ヤンバルクイナは世界中で沖縄のやんばるの森にだけ生息します

沖縄島北部の国頭村、大宜味村、東村を合わせた「やんばる」と呼ばれる地域にはヤンバルクイナをはじめ、ノグチゲラ、ヤンバルテナガコガネなどのここにしか棲んでいない「固有種」が生息しています。
これらの固有種は、やんばるの森が失われてしまえば、地球上から姿を消してしまいます。

ヤンバルクイナの散歩

ヤンバルクイナの散歩

小さくなった竜骨突起

空を飛ぶために鳥類は胸筋が発達しています。
この胸筋を支えている骨が「竜骨突起」です。

左の写真を見ると、近縁で飛ぶことのできるナンヨウクイナ(写真右)よりヤンバルクイナの方が体は大きいのに、竜骨突起はむしろ小さく、胸筋が発達していないことを示しています。
一方、足の骨は立派で、骨格からも地上の生活に適応していることが分かります。

ヤンバルクイナ”名前の由来

「やんばる(山原)」という地名は沖縄島北部を指す言葉で、ヤンバルクイナももちろんこのやんばる地方に棲むクイナという意味です。
新種の確認に至った捕獲調査の最中から現地のチームのメンバーの間では和名として「ヤンバルクイナ」か「ヤンバルフミル(フミルはバンの地方名)」にしようという話し合いがされていました。

しかし「やんばる」という言葉が当時は一般的でない地方的な呼称であったため、山階鳥研の内部では「オキナワクイナ」のほうが良いという意見もあったのです。
結局「鳥の保護には地元の理解と協力が不可欠なので、それにはより具体的なヤンバルを名前に入れるのがよい」という判断から、最終的に「ヤンバルクイナ」と命名されました。

「ヤンバル」という言葉は以前から植物名などに用いられてきましたが、全国的に広く知られるようになったのはヤンバルクイナの命名以来のことです。そのネーミングによって沖縄島北部の自然の貴重さを全国に知らせることになったヤンバルクイナの減少は、現在のやんばるの自然の危機を象徴しています。

ヤンバルクイナの散歩

ヤンバルクイナの散歩

ロードキル

ロードキルとは、車両にひかれて死ぬ轢死れきし、ぶつかって死ぬ衝突死、道路わきの排水溝内へ落ち込み溺れて死ぬ溺死、乾燥して死んでしまう乾涸死かんこしなどの、道路による影響で野生動物が死亡することをいいます。
やんばるでは、ヤンバルクイナ、ケナガネズミ、リュウキュウヤマガメ、イボイモリ、シリケンイモリなど様々ないきものがロードキルにあっています。

ケガをしている、死んでいるヤンバルクイナを見かけたら至急連絡を!!

ケガをしている、死んでいるヤンバルクイナを見かけたら
やんばる野生生物保護センター(ウフギー自然館)
TEL:0980-50-1025までご連絡下さい。

ケガをしているヤンバルクイナを見かけたら
クイナダイヤル(NPO法人どうぶつたちの病院沖縄)
TEL:090-6857-8917までご連絡下さい。

ヤンバルクイナ生態展示学習施設

ヤンバルクイナ生態展示学習施設

万が一、ヤンバルクイナをひいてしまっても故意でなければ、罪に問われることはありません。
迅速な連絡によりヤンバルクイナが助かる可能性が高まります。
また、たとえ死んでしまってもその後の事故防止対策に役立てることができます。

ヤンバルクイナの交通事故

環境省では、ヤンバルクイナ保護増殖事業計画(2004年策定)に基づき、ロードキル対策に取り組んでいます。
データを取り始めた1995年以降、多い年では年間47件(2012/2014年)の交通事故が確認され、累計確認件数は約500件にのぼります。
ただし、この数字は“確認”件数で実際に起こったすべての交通事故件数ではありません。
事故に遭い、傷つきながら林内へ逃げ力つきてしまう個体、事故後すぐに発見されずにカラスに食べられてしまう個体など、人間の目には見えない交通事故がこの数字の下には埋もれています。

ヤンバルクイナの交通事故はいつ起こりやすい?

環境省では、2007年5月から2008年4月までの1年間、ロードキルが多発する県道2号線と70号線で、ヤンバルクイナの路上への出現状況を調査しました。
その調査結果と、実際に事故が確認された日時を比較すると以下のような傾向がみられることがわかりました。しかし、これはあくまでも傾向です。

この時期や時間帯だけ注意するといいということではありません。
それ以外の時期や時間帯でも実際事故は起きていますので、この時期や時間帯以外でも走行にご注意下さい。

事故が多発する時期及び時間帯

繁殖期(中でも5月~7月)
繁殖期とは、結婚相手を探し、子どもをつくり、育て、その子どもが親離れするまでの期間をさします。
ヤンバルクイナは、特に子育ての時期に、ヒナを一生懸命育てることに集中しすぎて、道路上へ飛び出してくることが増えてきます。

また、親子で連れだって、道路にあらわれエサを探すこともあります。
親鳥がヒナやエサに気をとられ、逃げ遅れて自動車にひかれてしまう事故も実際に起きています。

時間帯は朝方と夕方

ヤンバルクイナは、日の出とともに目を覚まし、おなかのすいたヒナへエサをあげるためせわしく動き回ります。
また、夕方にも、寝る前の準備なのか、今夜のねぐらとなる木を探しているのか、せわしく動き回り、道路上へ飛び出してくることが多くなります。

ロードキル発生防止の取り組み

「やんばる地域ロードキル発生防止に関する連絡会議」(自然保護や道路管理
・利用に関係する行政や関係団体など、25の機関で構成)を毎年開催し、ロードキルの確認状況や対策などの情報交換を行っています。

和名 ヤンバルクイナ(ツル目クイナ科)
学名 Hypotaenidia okinawae
分類 鳥綱ツル目クイナ科
鳥類
生息地 沖縄本島、山原(やんばる)
その他 希少野生動植物種(種の保存法)
絶滅危惧IA類(環境省レッドリスト 2006年12月発表)
絶滅危惧Endangered (IUCN RDB)

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