オカヤドカリ(おかやどかり)
種別:天然記念物
指定年月日:昭和45年11月12日/国指定
オカヤドカリ科に属し、一対のおおきなはさみを持っています。
鰓(えら)の乾燥を防ぐと同時に、やわらかな腹部を守るため、殻の中に入って生活し、脱皮生長するとともに大きな巻貝にとりかえていきます。
産卵期は6~9月の大潮のころに、岩場や砂礫地においていき、夜の7~9時ごろに波打ち際の浅瀬で子どもを海へ放します。
その後、親は元の場所にもどり、子どもは幼生期を海で過ごし、大きくなって陸にあがり、陸上で生活します。
食べ物は、人が残したものや打ち上げられた魚などです。
県内では、オオナキアカヤドカリ(宮古・八重山諸島)、ナキオカヤドカリ(沖縄・宮古・八重山諸島)、ムラサキオカヤドカリ(沖縄・宮古・八重山諸島)、オカヤドカリ(沖縄・宮古・八重山諸島)、コムラサキオカヤドカリ(八重山諸島)の5種類がみられますが、八重山諸島で3例確認されたサキシマオカヤドカリを含めると6種類になります。名護市では、オカヤドカリ、ナキオカヤドカリ、ムラサキオカヤドカリの3種類がいます。
小笠原諸島の昆虫は、220属、261種が知られており、このうち、5属88種が固有のもので、他は広い分布をもつ種を除くと日本を含む旧北系27種、東洋系29種、熱帯アジヤおよびポリネシヤ系30種、ポリネシヤを含むオーストラリヤ系8種といわれ、きわめて興味ある昆虫群である。
これらの多くは、天然保護区域で保存されることと思われるが、さきに指定されたオガサワラトンボ、シマアカネなどと同様に、固有種のうち、いわゆる収集マニアの収集の対象になりやすいもの、生息数のきわめて少ない水棲昆虫などを種として指定することとされた。
カサガイは海産の小笠原固有の貝であるが、すでに業者が何万個でも欲しいと採集依頼をしているともいわれ、激減することが予想されるため指定し保護するものであり、オカヤドカリは、現在のところ、島内でかなりみられるが、すでに大量に採集され売られており、もともと生息地は少なく、個体数の総計はそう多くないものであり、天然記念物に指定し、保護をはかるものである。
和名 | オカヤドカリ(おかやどかり) |
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分類 | オカヤドカリ科オカヤドカリ属 |
学名 | Coenobita purpureus Stimpson,1858 | 分布 | 伊豆諸島、小笠原諸島、和歌山県、高知県、琉球列島 |
天然記念物(てんねんきねんぶつ)とは?
「文化財保護法」では,「動物,植物及び地質鉱物で我が国にとって学術上価値の高いもの」のうち、重要なものとされています。
天然記念物は、日本列島の成り立ちを示す地質現象や、過去の生物の姿を知ることのできる化石、日本列島の生物地理学的な特性を示す固有種等の動植物などで、日本列島がたどってきた「自然史」としての意義を持っています。さらに、人がかかわり、作り上げた自然、すなわち巨樹、ホタルなど日本人の自然観の形成に寄与したものや、並木、家畜・家禽など、人がかかわって作り上げたものなどで、私たちと自然との親密さを物語る「文化史」としての意義も持っています。
天然記念物を守ることは、地域の自然とそれにまつわる文化を守ることであり、天然記念物の価値を明らかにして生かすことで、人々の自然観や地域とのつながりを育むことができます。
天然記念物は、貴重な大自然を記念するもので獣や鳥、昆虫などの「動物」、樹木や草花などの「植物」、断層や化石などの「地質・鉱物」、そして、それらに富む天然保護区域を指します。
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