シルミチュー(しるみちゅー)とは
沖縄県うるま市の浜比嘉島(はまひがじま)にある「シルミチュー」は、琉球神話に登場する神々が住んでいたとされる神聖な洞窟です。
浜比嘉島は「神々が住む島」とも呼ばれ、島全体がパワースポットとして知られています。
シルミチューは、琉球開闢(りゅうきゅうかいびゃく)神話に登場する祖神、アマミキヨ(アマミチュー)とシネリキヨ(シルミチュー)が住んでいた場所と伝えられています。
洞窟の中には鍾乳石があり、子宝・豊穣・無病息災を願う人々が訪れる祈りの場です。
神話と祈りの文化
毎年旧正月には、地元・比嘉集落のノロ(祝女)や旧家の有志が中心となり、「年頭拝み」が行われます。
この儀式では、海辺で拾った小石を洞窟内の壺に納め、神々に祈りを捧げます。
地域の子どもたちによる奉納の踊りも行われ、伝統と信仰が今も大切に守られています。
シルミチューとアマミチューは、琉球の人々の祖先とされる神々で、浜比嘉島を転々とした末にこの地に定住し、子を授かったと伝えられています。
そのため、シルミチューは「子宝祈願」や「安産祈願」の霊場として、地元の人々や観光客から厚く信仰されています。
洞窟内には普段は入ることができませんが、鍾乳石は「子授けの霊石」として信仰されており、子宝に恵まれたい方やカップルに人気のパワースポットです。
シルミチューの洞窟
聖地の中心には、百余段の石段を登った先にある鍾乳洞があります。
この洞窟は、シルミチューとアマミチューが実際に住んでいたとされる場所で、内部には祈りの壺が置かれています。
訪れる人々は海辺で拾った小石を壺に入れて祈ることで、子宝に恵まれると信じられています。
通常は立ち入り禁止ですが、旧暦の元旦には特別に内部参拝が許され、ノロ(祝女)による祈祷や奉納舞踊が行われる貴重な行事「ハチウガン」が開催されます。
周辺の見どころ
シルミチューの近くには「兼久ビーチ」があり、透き通った海と自然が作り出した岩々が神秘的な雰囲気を醸し出しています。また、浜比嘉島全体がパワースポットとされており、もう一つの聖地「アマミチューの墓」も訪れる価値があります。
こちらは海に囲まれた岩場にあり、自然の造形美と神聖さが融合した場所です。
シルミチューへの道のり
シルミチューへは、浜比嘉島の比嘉集落を抜けて南へ進むと到着します。
入口の広場にある無料駐車場に車を停め、海沿いの細道を歩いていくと、鳥居が見えてきます。
その先には、108段の石階段がまっすぐに伸びており、登った先に洞窟があります。
階段の両側には亜熱帯植物が生い茂り、自然の力強さと神秘を感じながら進むことができます。
洞窟の前に立つと、空気が一変し、霊験あらたかな雰囲気に包まれます。
まるで神々の息吹を感じるような、静かで厳かな空間です。
近くのビーチで癒しのひととき
シルミチューの駐車場のすぐそばには、美しいビーチがあります。
エメラルドグリーンの海と大きな岩が特徴で、家族連れや観光客が足を浸して遊ぶ姿も見られます。
地元の人々はここでキャンプを楽しむこともあり、自然とふれあえる癒しのスポットとして親しまれています。
シルミチュー参拝の後に、海辺でのんびり過ごすのもおすすめです。
シルミチュー案内版
宇比嘉の南南東端の森の中に大きな洞穴がある。
地元では琉球開びゃく祖神、アマミチュー、シルミチューの居住したところと伝えれれている。
毎年、年頭拝(ニントウゥグワン)みには比嘉のノロ(祝女)が中心となって、海浜から小石1個を拾って来て、洞穴内に安置された壺に入れて拝んでいる。
また洞穴内には鍾乳石の隕石があり、子宝の授かる霊石として崇拝され、信仰圏の広い貴重な霊場である。
文化財保護条件により、勝連町文化財に指定します
平成7年2月20日 勝連町教育委員会
名所 | シルミチュー(しるみちゅー) |
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住所 | 〒904-2316 沖縄県うるま市勝連比嘉1606-33 904 2316 シーサイドガーデン浜比嘉 |
料金 | 無料 |
駐車場 | 無料 入口の広場に駐車場あり |