風を呼ぶ赤い花 沖縄を染めるデイゴの物語

沖縄の春を彩るでいごの花は、真紅の炎のような花を咲かせるマメ科の高木で、沖縄県の県花として広く親しまれている。
インドから東南アジアを原産とするこの木は、沖縄が日本での生育北限とされ、温暖な気候の中で力強く枝を伸ばし、毎年3〜5月になると鮮烈な赤い花を咲かせる。
街路樹や公園樹としても多く植えられ、那覇空港を出た道路沿いでもその姿を見ることができる。

デイゴ(梯梧)

デイゴ(梯梧)

でいごが沖縄県の県花に選ばれたのは1965年。
県民投票で6万票以上の支持を集め、沖縄らしい力強さと美しさ、そして漆器の材料としての実用性が評価された。
以来、でいごは沖縄の自然と文化を象徴する存在として県民に愛され続けている。

デイゴ(梯梧)

デイゴ(梯梧)

沖縄には、でいごの花にまつわる有名な言い伝えがある。
「でいごの花が咲き乱れる年は台風の当たり年になる」というものだ。

THE BOOMの『島唄』にも「”でいごの花が咲き 風を呼び 嵐が来た”」と歌われ、全国的にも知られるようになった。
科学的な因果関係は確認されていないものの、昔の人々は自然の変化を敏感に読み取り、花の咲き具合から季節の兆しを感じ取っていたのだろう。
気温や日照、乾燥、病害虫などの影響で開花量が変わるため、経験則として「花が多い=気候の変化が大きい年」と捉えられてきたと考えられる。

デイゴ(梯梧)

デイゴ(梯梧)

また、でいごは沖縄で「やしきこーさー(屋敷壊さー)」と呼ばれることもある。
これは、でいごの根が非常に強く横に広がり、昔の家屋の浅い基礎を押し上げたり、ブロック塀を歪ませたりすることがあったためだ。
実際に家が傾く被害が出たことから、家の近くに植えると家を壊す木として恐れられた歴史がある。

デイゴ(梯梧)

デイゴ(梯梧)

でいごは歌や文学とも深く結びついている。
特に『島唄』では、でいごの花が咲く季節と沖縄戦の記憶が重ねられ、沖縄の悲しみと希望を象徴する存在として描かれている。
春に咲くでいごの花の美しさは、沖縄の自然の豊かさだけでなく、歴史の痛みや人々の祈りをも静かに語りかけてくる。

花言葉は「生命力」。
台風を呼ぶほど強く咲くというイメージや、厳しい環境でも力強く生きる姿から、この言葉がつけられたとされる。

沖縄のでいごは、ただの花ではない。
自然、歴史、文化、そして人々の記憶が重なり合い、沖縄という土地そのものを象徴する存在として今も息づいている。

デイゴ(梯梧)の動画

動画が再生されない場合はこちら(youtube)からご覧ください。

和名 デイゴ(梯梧)
学名 Erythrina variegata
科名 マメ科デイゴ属
原産地 インド〜東南アジア
開花期 3〜5月
開花場所 沿岸部、街路、公園、学校、日当たりの良い場所

名護市(なごし)のおすすめスポット



植物のおすすめ

コメントを残す


error: