カニさんトンネル(かにさんとんねる)とは?
カニさんトンネルは、沖縄県にあるマングローブや林から出て海に向かう、オカガニやオカヤドカリ、イワガニが道路を渡る際に交通事故に遭わないように作られたカニ専用トンネルです。
カニさんトンネルが設置されたことで、カニが轢かれることが減ったそうです。
カニさんトンネルだけではなく、カニが道路に出てこないようエコパネルも道路脇に設置されています。
やんばるに生息するカニの仲間の中には、繁殖の為にやんばるの山と海を行き来するものも居ます。
沖縄でメインとなる58号線などの道路ができ、山と海を分断してしまい繁殖期に車にひかれてしまったり、繁殖自体ができなくなってしまいました。
そうした環境の変化から生き物たちを少しでも救おうと設置されたのが「カニさんトンネル」です。
その例として「オオヤドカリ」は亜熱帯の気温に適した生き物で、気温が15度を下回ると活動が鈍り仮死状態に陥(おちい)ります。
この状態が長く続くと「オオヤドカリ」は生存できなくなってしまいます。
アダンやグンバイヒルガオ等の海浜植物の群落付近に生息し、昼間は石や岩の下に隠れています。
ヤドカリは海生で水上にあまり出ないのに対して「オオヤドカリ」は陸上で生活をする為、脚やハサミが太く頑丈である特徴があります。
また陸上での生活に適応するために貝殻の内部に少量の水を蓄え、柔らかい腹部を乾燥から守り陸上でのエラ呼吸も可能となっています。
「カニさんトンネル」の海岸側は波消しブロックに隣接しており、放卵する満月の夜に産卵しやすいようになっています。
防波堤には青いネット「カニ渡りネット」が設けられトンネルを利用しない甲殻類も防波堤を上手く越える事が出来るようになっています。
オカガニ・イワガニとは
モクマオウやオオハマボウといった木が生えている防風林の下や、マングローブ林の周辺などに巣穴を掘って生活しています。
沖縄に住んでいるカニの中では大型のカニで、子供は”ゾエア”と呼ばれ、全く別の姿をしています。
海の中を浮遊しながら成長し何度も脱皮を繰り返していくうちに、しだいに形を変え親と同じ形にまで成長していきます。
大人に成長したカニは陸に上がって陸地で暮らしているのです。
そして、5月~10月の産卵時期の約3日程、満月の日にふ化する直前、約20~30万個の卵をたくさん抱え、こども達を海に放すため海に向かいます。
やんばるの海岸沿いは道路に囲まれていて、カニは海岸へ行くのにどうしても道路を渡らなければなりません。
そこで、ロードキルの交通事故が発生してしまうのです。
そこで、道路に出ないように高さ50cmの「エコパネル」が設置され、横断水路の入り口斜面を穏やかにしたり上り易くする為の工夫が施されています。
その結果「カニさんトンネル」設置後、甲殻類のロードキルの件数は減少しています。
カニさん注意標識の道路標識がある場所では特に走行に注意し減速することも大事なロードキル対策ですので、ご協力をお願いします。
沖縄の方言で「カンダクェーガニ」と言う「オカガニ」や、方言で「アーマン」と呼ばれ国の天然記念物に指定されている「オオヤドカリ」の他にも「カニさんトンネル」周辺には「ベンケイガニ」や「カクレイワガニ」も生息しています。
周辺の防波堤には甲殻類が爪を引っ掛けて登る為の切り込みが刻まれ、垂直に立つ縁石に斜めの切り込みが入れられています。
カニさんトンネルについて(Eco-Tunnel for Animals)
◆夏になると、オカガニやオカヤドカリなどは、子ども(ゾエア)を海にはなすために、陸から下りてきます。
◆このときに、道路上を横断し、たくさんのカニさんが交通事故にあっています。
◆北部国道事務所 では、このような動物たちの交通事故をできるだけ少なくするために、いろいろな対策を行っています。
◆道路上を横断しなくても、自由に陸から海へ移動できるように、カニさんトンネルを設置しました。
◆道路上を横断すると車にひかれてしまうので、エコパネルを設置してトンネルまで誘導しています。
◆側溝は、カニなどが落ちても這いあがれるように、スロープにしてあります。
カニさんトンネルの駐車場
カニさんトンネルについての看板のすぐ横には広々とした止めやすい駐車場がありました。
名所 | カニさんトンネル(かにさんとんねる) |
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住所 | 〒905-1302 沖縄県国頭郡大宜味村謝名城 |
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