静寂を湛える巨大湖 羽地だむ(はねじだむ)

羽地だむ(はねじだむ)

羽地だむ(はねじだむ)

沖縄本島北部、名護市羽地に位置する羽地ダムは、羽地大川水系に建設された 中央土質遮水壁型ロックフィルダムで、洪水調節・流水の正常な機能維持・農業用水・上水道の供給という4つの役割を担う多目的ダムである。
堤高は66.5m、堤頂長は198m、総貯水容量は1,980万m³に達し、北部地域の水資源を支える重要なインフラとして機能している。
ダム湖は「蔡温あけみお湖」と名付けられ、周辺は展望広場や資料館が整備され、名護市の景観スポットとしても親しまれている。

羽地だむ(はねじだむ)

羽地だむ(はねじだむ)

羽地だむ(はねじだむ)

羽地だむ(はねじだむ)

羽地だむ(はねじだむ)

羽地だむ(はねじだむ)

羽地だむ(はねじだむ)

羽地だむ(はねじだむ)

羽地ダムの構造は、左岸の地質が弱く重力式コンクリートダムが不適と判断されたことからロックフィル方式が採用された。
さらに、このダムには国内初・世界初の技術が複数導入されている点が特徴である。
まず、空気ロック式選択取水設備は日本で初めて採用されたもので、圧縮空気によって取水位置を制御するゲートレス構造を実現し、水質管理の効率化とコスト縮減に貢献している。
また、引張りラジアルゲートも日本初の技術で、従来の圧縮荷重ではなく引張り荷重を利用することでゲートの軽量化と低コスト化を達成した。

さらに、羽地ダムは生態系への配慮も先進的で、世界初となる エアリフト魚道を導入している。
これは圧縮空気を利用して魚類やエビ・カニ類を管内で移動させる仕組みで、高い堤高でも生物の遡上を可能にする画期的な技術である。
また、水の落下エネルギーを利用して空気を圧縮し、ダム施設の送気に活用する DAS(Dam Air-energy System) も世界初の試みで、CO₂を排出しないクリーンなエネルギー利用として注目されている。

ダム湖「蔡温あけみお湖」の名称は、琉球王朝時代に羽地大川の改修を行った三司官・蔡温の功績に由来し、「明け(夜明け)」と「澪(船が通る深い水路)」を組み合わせて命名された。
湖畔には展望広場や多目的広場が整備され、名護市の自然と調和した美しい景観を楽しむことができる。

羽地ダム建設に伴い、市道の付け替えが行われ、その際に架けられたのが またきな大橋である。
ピンクのグラデーションが特徴的なエクストラドーズド橋で、橋長200m、主塔高26.4m。
周囲の自然と調和したデザインが評価され、地域の新たなランドマークとなっている。

羽地ダムの歴史は1966年、米陸軍工兵隊による計画に始まる。
1970年には琉球政府が調査を開始し、1972年の本土復帰後は沖縄開発庁が事業を継承した。
1981年に建設事業が本格的に始まり、1996年に本体工事が着手、2001年に試験湛水が行われ、2005年に竣工した。
総事業費は当初の260億円から地すべり対策や赤土流出対策などにより最終的に700億円へと増加している。

現在、羽地ダムは洪水調節、流水の正常な機能の維持、1,217haの農地へのかんがい、そして最大1,217m³/日の上水道供給を行い、名護市をはじめとする沖縄北部地域の生活と産業を支える重要な役割を果たしている。
アクセスは那覇空港から車で約80km、名護バスターミナルから親川入口を経て徒歩約35分で到達できる。

技術革新・環境配慮・地域の水資源確保を兼ね備えた羽地ダムは、沖縄の未来を支えるインフラとして今もその存在感を示し続けている。

ダム名 羽地だむ(はねじだむ)
所在地 〒905-1146
沖縄県名護市親川
河川名 羽地大川水系・羽地大川・蔡温あけみお湖
型式 ロックフィルダム
堤高 66.5m
堤頂長 198m
総貯水容量 19,800,000m³
有効貯水容量 19,200,000m³
電話 098-053-6411

名護市(なごし)のおすすめスポット



ダムのおすすめ

コメントを残す


error: